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寒さのなかにも春の訪れを感じる頃となりました。
明るい春を待ちながら、どうかお健やかな日々をお過ごしください。

 

さて、今回は「医師の働き方改革」についてお話しします。

いよいよ2024年4月から医師の働き方改革が正式にスタートします。今までのブラックに近い長時間労働を制限し、より健全な労働環境を作るために制定されました。多くの職種では2019年より施行されていますが、医師、自動車運転業、建設業については早急な改善が困難ということで5年間の猶予が与えられました。この猶予が今回切れるため、いよいよスタートすることとなったのです。今まで日本のどこにおいても均一な高いレベルの医療を受けられたのは、医師や医療従事者の奉仕的、自己犠牲的な長時間労働が支えてきたおかげでもあります。

医師の勤務実態調査において、病院勤務医のうち時間外勤務が年間960時間を超える割合が37%で、1920時間を超える医師が10%でした。年間960時間としても1週あたり20時間ですから、毎日4時間程度の残業をしていたことになります。万一無残業デーが1日あったとしても、次の日は午前様になるくらいの残業を行っていたことになります。

 

働き方改革関連法案は医師・医療従事者の健康を維持しつつ、持続的に安全な医療を提供する目的で導入されます。大きく二つあり一つは時間外労働時間の制限です。一般的な医療機関では年間960時間までの時間外労働をA水準としています。ただし例外もあり、地方や救急受け入れ状況によっては医療機関がB水準という資格を得ることができ、年間1860時間という長時間労働をさせることが可能です。C水準と呼ばれる研修医なども長時間労働が可能です。

二つ目の要点は当直明け外来など長時間連続勤務を解消するため勤務間インターバルという休息を義務化した点です。例えば始業から24時間以上勤務させる場合に最低でも9時間の休息を取らせることが義務化されました。違反した場合、今までは罰則はなかったのですが、今後は6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金等刑事罰が課せられる可能性があります。

 

この改革により、医療施設の労働環境が改善し、より良い医療が提供されるのは素晴らしいことです。しかしながら、どうして日本の病院がそんなに忙しいのか、それが一つ目の問題です。もう一つ言うと日本の病院のほとんどが赤字です。そこまで忙しくさせてどうして採算が取れないのか?それも問題です。こういった経営効率の問題だけでなく、フリーアクセスを容認しながらも実質的な報酬をさげつつある日本の保険制度も問題です。統合による効率化も地域では非常に大きな問題になりがちです。
次回以降は働き方改革と日本の医療制度の問題についてお話ししていこうと思います。

 

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医療法人恭青会

理事長 生野 恭司
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