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謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 

まずは、令和6年能登半島地震により犠牲となられた方々に心よりお悔み申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。被災地域のみなさまの安全確保、そして一日も早い復旧・復興を衷心よりお祈り申し上げます。


死者は11日現在200名を超えており、行方不明者が100名以上おられます。東日本や阪神大震災などは別として、戦後生じた地震の中では3本の指に入る規模の人的被害をもたらしました。私個人は金沢に多くの友人がおり、安否を気遣っておりましたが、金沢市内に限っては被害が割合軽微であったようです。ただ、能登(特に奥能登)の交通インフラは貧弱で、金沢からでも片道数時間かかると聞いていました。

 

石川県の医療圏は北部能登(珠洲市、輪島市など)、中部能登(七尾市など)、石川中央(金沢市など)と南加賀(小松市など)の4つに分かれますが、中でも北部能登は点在する集落、高度な過疎化と重度の医師不足から医療基盤がぜい弱で、不安が指摘されていました。
思い出されるのは、2021年の市立輪島病院の新生児死亡事件です。北部能登2市2町には以前は数名の分娩可能な産科医がいましたが、次々に辞めて数年前から最後に残った医師が一人でお産を365日見ておりました。そんな状況の中、たまたま里帰り出産希望の妊婦が、医師の休暇中に胎盤早期剥離を見落とされ新生児が死亡いたしました。私は専門外ですので、どの程度基本的な見落としで瑕疵があるのかはわかりませんが、不幸な転帰とはいえこの産科医に同情する声も強いのが現状です。ちなみに石川県の産科医は100名程度いますが、80名以上が石川中央に集中しています。事件をふまえて県は金沢からの産科医派遣システムを構築しようとしていますが、根本的な解決策になっていないのが現状です。

周産期医療だけでなく、多くの科でインフラ不足の能登地方に覆いかぶさるように襲った地震。設備損壊やシステム障害に加えて救急患者が殺到すれば、何とか回転させていた通常医療も一たまりもなく崩壊すると思います。

また長い目で見てみると、今回の地震が能登地方からの医師の流出に拍車をかける可能性があります。地震そのものも悲劇ですが、以前から何とか持ちこたえてきたシステム疲弊に限界を迎えさせる可能性もあります。過疎地域における医療インフラ維持。これも今後議論が必要な問題でしょう。

 

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理事長 生野 恭司
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