2020年10月15日に生野理事長が第74回臨床眼科学会のシンポジウム4「網膜疾患診断法のパラダイムシフトと実臨床の変化」にて「近視性⻩斑疾患におけるパラダイムシフト」の講演を行いました。

 

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画像診断の進歩は強度近視の診療に⼤きな変⾰をもたらした。本講演では、時系列に沿ってその役割を整理する。 第⼀期は通常OCTによる網膜病理解明の時代である。新たな疾患として中⼼窩分離症が⾒いだされ、⻩斑円孔網膜剥離の前駆状態として、予防⼿術の対象として存在意義が確⽴された。また従来は困難な正常眼圧緑内障(NTG)や脈絡膜新⽣⾎管(mCNV)の診断も可能となり、治療への道が開けたのがこの時期である。 基本的疾患の治療への道のりがつくと、網膜以外の病態に対して付加機能OCTを⽤いて観察する第⼆期が始まる。深部の観察が可能なSwept-source OCTやEnhanced depth Imagingを⽤いた脈絡膜や視神経乳頭深部の観察が盛んにおこなわれた。mCNVやNTGのリスクファクターとして脈絡膜菲薄化やLamina Cribrosa Defect が⼀般的に理解された。病因が完全に解明されたわけではないが、少なくとも真の原因に対する⽅向性は⾒えてきたのではないだろうか。 第三期は偏光OCTやMRIを⽤いて強⾓膜を⽣物的、形態的に研究するもので、近視が進むメカニズムに迫るものである。今始まったばかりで、今後の成果が期待されている。このように機器の進歩と研究に対する飽くなき探求は今も続いており、我々はさらに奥深い近視のフロンティアへと⾜を踏み⼊れているのである。