小児の場合、大人と同じような視力検査をすることが出来ません。
しかし、見え方に左右差はないか、どれぐらい見えているのかを大まかにでも測定することは「弱視」の発見に繋がるので非常に大事になります。
小児の視力検査は下記の6つがあります。
①嫌悪反射の確認
言葉を発することのできない赤ちゃんも、嫌なことをされると、泣いたり顔をしかめたりというアピールをします。それを「嫌悪反射」と呼びます。
片眼をそれぞれ隠した時の反応を見る検査方法です。
②物を追視するかの確認
片眼を隠した状態で、おもちゃ等の興味を引くものを動かし追視するかを見る検査方法です。極端に見えにくい場合、追視することができません。
③縞視力
無地と縞模様の図形を同時に見せた時に、縞模様の図形がわかれば縞の方を見るという特性を使った検査方法です。
④ドットカード法
(点視力)
動物の目の部分が視標になっていて、目がどこにあるか指で差して教えてもらう検査方法です。
「お目目はどこかな?」という風にゲーム感覚で行い、上手くできない子に対しては、
ぬいぐるみを使うなどして目の位置が正確に指せるかを確認する場合もあります。
対象は2歳前後です。
⑤絵視標
チョウチョ、犬、魚、鳥などの影絵を出して何が書いてあるか答えてもらう検査方法です。
対象は3歳前後です。
⑥近見字ひとつ視力
遠見視力が難しい場合に使用する検査方法です。
なるべく楽しく検査ができるように、「輪っかの切れ目はどこかな?」ではなく、「ドーナツがかじられているのはどこか分かるかな?」や「こんな小さいのも見えるかな?」など、興味を持ってもらえるような声掛けをしながら検査を進めます。
ハンドルのような輪っかを小児に持たせて、「これと同じ形にしてみて」と言って、視標と同じ方向に合わせもらう場合もあります。
さいごに
検査が最後まで上手に出来た時は「上手にできたね。すごいね!」と褒め、上手にできなかった場合でも、「頑張ったね。偉かったね」と優しく声掛けをするようにしています。少しでも異常を感じるのでしたら、眼科で視力検査を受けるようにしましょう。
慈恩編集部