医療法人恭青会の医療関係者向け情報メール
電子版 慈恩13号

日中は汗ばむほどの陽気となり、夏の近いことを実感する季節になりましたが、皆様にはお元気でお過ごしのことと存じます。
今回は「
緑内障の手術について」についてお話させて頂きます。


医療法人恭青会
理事長 生野 恭司
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緑内障の手術について

緑内障の手術は基本的に眼圧を下げる目的で行われます。

眼圧を下げる方法にはいくつかあります。

また緑内障が他の原因によって生じている場合は、その原因治療を優先させることがあります。例えば白内障がひどくなると緑内障を起こしますが、この際には緑内障手術でなく白内障手術を行うことも結構多いのです。

ただ手術ですのでそれなりのリスクもあり、通常は点眼治療やレーザー治療が効かない、あるいは十分な効果がない場合に手術が選択されることになります。


緑内障の手術には大きく分けて、線維柱帯切開術や線維柱帯切除術に分けられます。緑内障の手術では、多くの場合は線維柱帯切除術が行われます。

眼の圧を下げるために、目の壁である強膜の1部分に穴を開け、目の中から水が逃げるようにします。こうすると目の中の水が溜まらなくなり圧が上がらなくなります。ただ開けっ放しですと、そこから細菌が入ったりしますので、実際は一番外側の結膜を残し、その下に溜めて逃すことになります。実際に文章で書くと難しいのでこれに関しては「線維柱帯切除術」の図を参考にしてください。

圧を下げる手術ですが、圧が下がらないと緑内障が進行し、圧が下がりすぎてしまうと網膜に障害が生じたりしますので、その調節は非常にデリケートです。

手術の後も頻繁に外来で処置などを行い、ちょうどいい圧に調節することになります。そのため緑内障の手術自体は30分ほどで終わっても、その後の調整に時間がかかることもあります。

この方法は大きく眼圧を下げることができますが、長期間にわたり感染のリスクが伴います。したがって、必要な場合以外はできるだけ手術を避けるのが望ましいと考えています。

線維柱帯切開術は一部の緑内障に有効とされています。具体的にはステロイド緑内障や、比較的眼圧上昇が大きくない緑内障に向いているとされています。この方法は今注目されており様々な器具や方法が考案されています。

 

線維柱帯切除術のように目に大きく穴を開けるわけではないので、大きな合併症はやや少ない傾向にありますが、出血などの合併症があります。また眼圧を下げる効果が前の切除術に比べて劣るため、重症の緑内障には向きません。  

いずれにせよ手術をする段階というだけで重症の緑内障と考えることができます。眼圧が下がりにくかったり、視野欠損が非常に進行したりと悪い条件が重なります。点眼薬等で、可能な限り手術を避ける方向にするのが今の主流です。そのために様々な目薬が出ていますが、何よりそれをきちんと点すことと、医師にきちんと定期的にかかることが重要です。なんとなく調子がいいからといって目薬をやめたり、治療にいかなくなったりするのは最悪です。


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