医療法人恭青会の医療関係者向け情報メール
電子版 慈恩4号

いまだに寒い毎日がつづきますが、お変わりありませんでしょうか。
今回は「白内障の検査」についてお話させて頂きます。


医療法人恭青会
理事長 生野 恭司
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 白内障の検査

白内障の診断には、まず水晶体が白く濁っていることを確認しなければいけません。眼科では細隙灯顕微鏡検査で水晶体の状態、あるいは手術時に切開する角膜やその後側にある前房の状態を確認します。白内障になっても、すぐに手術するのではありません。いくつかの客観的な視力の低下を示す検査が必要となります。その中で1番多いのが視力検査です。視力検査には「裸眼検査」と「矯正視力検査」があり、ここでは近視や乱視による視力低下の影響を除外するため、矯正視力検査を行います。

矯正視力検査とは、検査専用眼鏡をかけて、度数入りレンズを入れたりすることにより屈折異常を矯正し、最良の視力を測定する検査です。レンズを入れても、視力があまり出ない場合は手術となります。たとえ視力が良くても見え方に不満があり、手術となることもあります。例えば夜間に強い光を見た際、通常よりも眩しく見えたり、色の区別や明暗の対比(コントラスト)がつかなくなると言ったものです。

 

白内障があっても、他の病気で視力が下がっている可能性もあり、眼底カメラなどを用いて眼底全体を検査したり、眼底の最も大事な黄斑を光干渉断層計検査などを行い、他の病気がないことを確認します。

精密な検査が必要な場合は、白内障の程度をみるため、散瞳薬を使用します。散瞳薬の使用後は、たくさんの光が眼に入るので、まぶしく感じ、物が見えづらくなります。そのため、手元の仕事がしにくくなったり、バイクや車の運転はとても危険になるため、検査の日は公共の交通機関を利用するか、どなたかに送迎していただくことをお勧めいたします。

検査や診断の結果、他の病気がなく、白内障が原因で確実に視力が低下している場合は、白内障手術を検討することになります。

白内障手術は今や年間100万人の人が受ける非常に多い手術ですが、感染症や網膜剥離などを起こすと、非常に視力が低下することもあります。そのため、かかりつけの医師と、健康状態の把握などが必要不可欠になります。この詳細は、また次号でお話しいたします。


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