先月の3月9日~11日まで友人が中心となって設立したTaiwan Macula Society (台湾黄斑学会)に招待され、台湾高雄で講演を行ってきました。
台湾も日本同様、非常に国内事情が複雑なようで、例えば新しいアイデアや最新のトピックについて掘り下げた学会やセミナーを新たに新領域として開催するのは困難なようです。眼科領域を含む医学は日進月歩であり、常に新しい知識と経験が必要となります。また、従来のプロフェッショナルが必ずしも新しい領域を理解しているとは限りません。そのため新しい知識を担う者が新しい領域のリーダーとなり、学術組織を作る必要がありますが、日本でもその自由度は極めて低いといえますし、ましてや他のアジアでは極めて困難と言えます。
このため彼は全く新しい学会である黄斑学会を設立し、国際的な知識の吸収と議論の場を作りました。最初はおそらく病院内の小さな症例検討会であったと思いますが、今ではスポンサーもつき、海外演者も招へい可能となっています。国際的な交流を行うには、英語での交渉能力、また海外の演者の選定の可否、あるいは国際的なコネクションの必要性が出てきますが、これが可能な逸材と周囲の協力があってこそ成り立つものと考えます。今回の聴衆も100名を超え、非常に盛大な学会となりました。日本にもこういった機会でありビジネス・アカデミックモデルが必要であると考えます。
これからは若い人たちが新しい知識を吸収し、新しい領域を作ったり交流を行うことができる柔軟性の高いシステムが必要と思います。彼の活躍はいつも私の見本となり、今後私も彼を見習って新しい近視・網膜領域の人脈・組織作りに励みたいと思います。