医療法人恭青会の医療関係者向け情報メール
電子版 慈育5号

いまだに寒い毎日がつづきますが、お変わりありませんでしょうか。

今回は「OCTアンギオグラフィー」についてお話させて頂きます

医療法人恭青会
理事長 生野 恭司


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OCTアンギオグラフィー

OCTアンギオグラフィーとは、「光干渉断層計(OCT)」を用いた網膜血管血流検査で、OCT-Aと略されることも多い検査です。

OCTは、光の干渉作用を用いて網膜の微細な構造を判定する比較的新しい機器です。1990年に米国で研究開発され、その後90年中盤には市販機が出回りました。

OCTは、今まで観察することができなかった微細な網膜剥離、網膜内浮腫、黄斑前膜、黄斑円孔、その他様々な病気を確定診断することができます。OCTの出現により網膜の診療は大きく変わり、それに伴って手術適応、治療法、場合によっては疾患概念も大きく変わりました。特に近視領域ではそれが顕著なのですが、それはまたいずれお話しします。

OCTは改良が続けられ、解像度の上昇や深い層にまで達することができる(深達)OCTなどが出現し、さらに詳しく観察・診断することが可能となりました。

また、OCTは網膜の深さ別に戻ってくる反射光を測定し、細かな網膜の形態変化はわかりますが、網膜の血流を測定する事は不可能でした。

網膜の血流検査としては、蛍光眼底造影検査がありまが、経口剤によるアナフィラキシーショックの危険があり、頻回の検査は行うことができませんでした。

また患者さんの負担も大きく、往々にして吐き気や消化器深い症状など様々な全身症状を乱すことで知られていました。

しかし、OCTのアルゴリズムを改良して、さらに演算を複雑にすることにより、今では血流を測定することが可能になりました。ただし、血管の閉塞や新生血管の検出に有効ですが、既存血管の変化へは対応が限られます。

そのため蛍光造影ほどの情報は得られませんが、それでもいくつかの病気では診断可能です。また頻回に検査ができることから、今では多くのクリニックで主な血流検査となりました。

当院でも、網膜外来の糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞性、加齢黄斑変性、近視性疾患などに応用し、全身状態の悪い患者さんにも正確に検査・診断を行っていますので、OCTーAはますます欠かせない存在になっていくことでしょう。

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