昨年12月7日(金)~9日(日)に国立京都国際会館で第57回日本網膜硝子体学会総会が開催されました。
網膜硝子体の一般的な疾患については、ほとんどは治療は完成された雰囲気があり、その適応や治療法も確立していると思います。一般的な黄斑円孔、黄斑前膜等については細かな術式の差異はあっても適応や治療方法などによっては、それほど差はありません。また、加齢黄斑変性等についてもより密に、より多くの注射を打つ方が治療成績が上がる事が大規模研究で証明されています。今後はどの症例がその程度の間隔で打つかなど、個別化・差別化医療が中心になると思います。ただ、これについても大きな差はなく基本的にどの施設で、どの治療を受けても成績はほとんど変わりがないと考えます。近視性疾患については、未だ議論は未熟で、様々なことを討議されるべきですが、今後これは近視学会等の活動を通じてより深く掘り下げていきたいと思います。
私が最も興味のあったのが、7日(金)の夜に行われました第17回脈絡膜画像診断研究会です。この脈絡膜画像診断研究会は東京女子医科大学 教授の飯田先生と私が中心となり、発足いたしました。眼科での画像診断の進歩は目覚ましく、特に2000年から多くの病態や治療法が改良されました。脈絡膜はさらに深い位置にあり、多くの疾病の源として注目されています。
脈絡膜画像診断研究会では、その脈絡膜の画像診断に焦点を当て、毎回網膜のエキスパートの先生方にお越しいただき、討議を重ねています。今回の特別講演は琉球大学大学院医学研究科医学専攻眼科学講座教授の古泉先生にお越しいただき、Pachychoroidの病態と診断についてお話しいただきました。非常に有意義な講演であり、ご来場いただいた多くの先生方にも非常に喜んでいただけました。
情報交換会では日本中の大学から多くの先生方にお越しいただき、網膜の治療について意見交換いたしました。この様な場は今後の眼科の活力に大きく影響し、より多くの先生方に網膜に興味を持っていただける機会となっていると思います。今後も活動を通じて網膜や近視性乱視の疾病研究、興味をもっていただけるように、プラットフォームの構築にも力をいれていきたいと思います。