医療法人恭青会の医療関係者向け情報メール
電子版 慈育1号

寒さも厳しくなってまいりましたが、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。
 
さて、医療法人恭青会ではこの度、医療関係者向けメールマガジン 電子版「慈育」(じいく)を配信することとなりました。我々が大切にしている、慈しむ心を皆様と一緒になって育てたい。そういう思いから慈育と名付けました。
 
配信するきっかけといたしまして、私は日々眼科医療を提供している際に他の領域の医療関係者の方から様々なお悩みを耳にすることがあります。その悩みを解決することができれば、少しでも多くの患者様へ最善の治療を行えるのではないかと考え、その架け橋として慈育を配信することといたしました。
 
よく耳にするお悩みの一つは、持病をお持ちの患者様に対しての治療・指導についてです。また、持病をお持ちの方が手術となった場合の対応の悩みも多く、動脈硬化から生じる網膜静脈閉塞症や糖尿病網膜症の患者様の指導やフォローをいつのタイミングで、どの様な眼科へ紹介したらよいのかなど、沢山の疑問を日々耳にします。
 
最近では高齢化が進み、認知症の患者様の白内障手術など眼科治療をする際にどこまでを適応とし、どの様な眼科へ紹介すればよいのか。他科の先生方の中にも、同じ様なお悩みを抱えている方はいらっしゃるのではないでしょうか。
 
この様なお悩みや疑問に対する私なりの答えを慈育を通じて、随時お届けできればと思っております。
 
私は、医療業界も国境を越えて診療科の境界線をなくし、情報交換を行うことで患者様にとって最善の予防・治療ができると考えており、慈育の配信と今までの医師会等の活動・交流を通じてより一層の幅広い医療関係者の方と情報共有ができればと思っております。
 
電子版慈育は「疾患」と「活動」のコンテンツに分けて、月2回の配信を考えております。眼科だけではなく様々な領域の先生方にも、お役に立てるような情報を配信してまいりますので、ご一読いただけば幸いです。また、記事に関してのご要望がございましたら、「慈育」編集部までご一報いただければ幸いです。
 
医療法人恭青会
理事長 生野 恭司

慈育編集部 連絡先

admin01@kyoseikai.com

疾患content

白内障手術について

白内障手術時期については、視覚的な自覚、家族環境、お仕事内容など社会的状況などいろんな状況を総合的に判断することとなっており、画一的なコンセンサスは得られていませんが、一つの基準として患者様が不便に思われた時点で手術を行うことが理想とされています。

しかし、職業や趣味などにより患者様一人ひとりが不便と感じる時点が違い、愁訴や手術の要求がそれぞれに違ってくるのが現状です。例えば、精密機器などを使いお仕事をされている患者様は、少々の視力低下でも手術を希望されますが、生活の中で目を駆使することがない方はあまり不便を感じられないという大きな違いがあります。

 

症状としては、かすみ目・夜間の羞明(まぶしくギラギラする感じ)が二大症状です。特に夜間の運転時に不便を訴えられた場合は白内障の疑いが高いです。また、偏視(ゆがみ)を訴えられた場合は網膜疾病の可能性があり、この場合は注意が必要です。どちらも愁訴があった場合は、すぐに眼科へ紹介してください。

 

また、今では白内障の手術は5分程度で終わり、切開も角膜切開で出血もほとんどありません。当院では通常、抗凝固薬を服用したまま手術を行っております。糖尿病の方の手術基準は、ヘモグロビンA1C値が8.0以下が目安となります。糖尿病の症状がコントロールされている場合は、通常問題なく手術を行うことが可能です。

認知症の患者様は視力低下に気づかれることが少なく、症状が進行していることがほとんどです。最近になって、よく転倒するようになった方や認知症が急に進行した方は眼科的診察を受けられることをお勧めします。軽度の認知症で、おとなしい方であれば手術は可能ですが、せん妄などのある方は全身麻酔での手術となります。それ相応の白内障がある場合、認知症が進むという前提に立つと、軽度のうちに手術をされる事も一つの選択肢です。

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