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5月も半ばとなり、木々の葉が鮮やかな緑色になる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。過ごしやすい時季とはいえ、刻々と変わりゆく季節、くれぐれも健康に気を付けてお過ごしください。
 
さて、今回はクリニック倒産と消費者保護についてお話しします。

医療法人やクリニックの倒産がじわじわと増加しています。コロナ禍における患者減少やいわゆるコロナ補助金や融資の息切れなど医療を取り巻く環境は厳しさを増しています。最近の大型倒産としては先月に医療法人社団心和会が132億円の負債から民事再生を申請しました。また眼科業界では医療法人クラルスが2021年11月に12億円の負債で破産しました。負債額には驚かされますが、他業界では倒産は日常茶飯事で、医療業界が例外だと言えましょう。

 

保険診療に関しては、前納金は少なく患者が主たる債権者になることは少ないですが、最近の注目は自由診療クリニックの倒産です。先月には低価格のメンズ脱毛を全国展開していた「ウルフクリニック」が突如閉院しました。返金等に応じておらず取り付け騒ぎになっています。脱毛はリピート率が高く、時に「通い放題」と称して前金で高額の契約を行う場合があります。しかし中には前金を払ったのに解約できない、予約が取れないうちに契約期間が過ぎてしまうなど数多の消費者トラブルを生じる悪質な施設も存在します。そのため2017年に特定商取引法が改正され、美容施術もクーリングオフの対象となりました。消費者に一定の保護が与えられることになったのです。ちなみに発端となった脱毛エステ「ミュゼプラチナム」はこの6年間に3回株式転売され親会社が変わっています。この4月から上場企業である船井電機・ホールディングス株式会社の完全子会社となり、今後は安定的な経営が望まれます。

 

2022年後半になるとさらに複雑なスキームで、「医療法人デンタルオフィスX」のマウスピースを使った矯正治療事業を巡る金銭トラブルが出ました。患者は歯科矯正費用として前金で200万円程度を支払いますが、モニター契約を行えば月々返金されて実質無料になります。治療の担当は医療法人ですが、モニター契約は医院を運営するA社と締結し、お金もそこから返金されます。患者から集めたお金は医院からA社に送られさらに資金運用を委託されたB社に移され投資されていました。B社からの投資回収が滞り、A社からの支払いが停止し、最終的には患者が払い損になってしまったという仕組みです。3社の契約が複雑に絡み合い、どこが責任なのか証明しづらいスキームですが、悪く言えば詐欺的商法の際によく用いられる手法です。

 

保険医療だけを行っているとなかなか気づきませんが、一歩踏みだせば、医療業界の構図も複雑になりつつあります。安定して安心できる医療施設で治療できるのが望ましいですが、医院として今後の逆風をどう乗り越えていくかが課題です。

 

 

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医療法人恭青会

理事長 生野 恭司
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