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日増しに暖かくなってきましたが、いかがお過ごしですか。
寒暖の差が大きい季節柄、くれぐれもご自愛ください。
 
さて、前回エッセンシャルワーカーほど給与が上がりにくいのではないか?というお話を書きました。今回はさらに掘り下げていこうと思います。
エッセンシャルワーカーの定義は定まっていませんが、生活に直結する職種とされています。例えば、医療福祉、警察や消防、教育、また生活に絶対必要な電力やガスなどのインフラ関係、トラック運転手やスーパーなどの物流や生活必需品販売業であると一般には言われます。エッセンシャルワーカーと言っても幅がありますが、こうしてみると生活に直結するものほど国の関与が強いことがわかります。警察や消防、教育は基本公務員ですし、医療福祉は健康保険や介護保険などによって賄われています。最低限の生活をするにおいても必要な職種は国がそれを保証し、運営しています。
そういった意味で収入は保証されているのですが、逆に言えば政府が増額しない限り給与は上がりません。医療の場合は99%が診療報酬に依存しています。診療報酬は2年毎に改定され、本体部分(医師報酬部分)と薬価等に分解されます。最後の改定は2022年度で、2000年になってから11回改定されました。本体部分が1%以上の増額になったのが3回、1%未満0%以上が6回、減額が2回となっています。とくにここ5回は0.5%程度の増額で変わりありません。医師会の顔を立てるものの、申し訳程度の増額であるとみることができます。長い目でみると2000年から年平均0.5%の増額です。
昨年来のインフレで物価は1年で4%上がりましたが、それに応じた給与増額など夢のようなお話です。
売り上げが上がらないのであれば、業務効率をあげるしかありません。がしかし、業務も実に細かい法律によりがんじがらめになっていますし、保険請求業務についても医療者側でどうにかできる話ではありません。
診療効率化の切り札として導入されたオンライン診療も、手間の割に報酬が少ないため、実際はピルなど一部の自由診療しか導入されていないのが実情です。
実際に「手間」と「報酬」は国が決定するため、今後ますます保険診療は成り立たない気がします。少子高齢化により報酬増額が難しいのであれば、手間を減らす工夫ができるよう、法律やシステムの整備をしてほしいものです。
 

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医療法人恭青会

理事長 生野 恭司
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