医療法人恭青会の情報メールマガジン
正しく表示されない場合はこちら
contact@kyoseikai.com

 

厳しい残暑が続いておりますが、お健やかにお過ごしでしょうか。

さて、今回は「ジェネリック医薬品の安定供給」についてお話しします。

厚労省はかねてより、薬剤費抑制のために後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用を強く推奨してきました。使用割合の目標値を80%と定め、ジェネリック医薬品の啓発と保険点数による誘導を行いました。また安全性などの情報開示も積極的に進め、日本での使用割合は70%にまで上昇しました。このように欧米並みに高い数値となったことは、超安全志向で国民皆保険制度をもつ日本では大きな進歩であったと思います。医療支出がうなぎ上りの先進国において薬剤費の抑制は世界共通の課題で、厚労省も大きな努力を払ってきました。ただ、ここにきて安定供給に大きな影を落としています。

 

発端は日医工をはじめとする各社での製造コンプライアンス違反です。それに対する行政命令等により生産が一時ストップする事態となりました。日医工はジェネリック業界で沢井製薬、東和薬品と並ぶ三強の一角で、その影響は甚大です。その後も流通が滞り、本来なされるべき処方薬が供給されないという事態が発生しました。お医者さんが処方しても、その薬が手に入らないのです。調剤薬局でも類似品や同等品を使うなど工夫はみられましたが、一部の薬は品薄状態が続いていますし、今後も種類によっては改善する見込みが立っていません。

 

もともとジェネリック医薬品は利幅が薄く、効率のよい製品を計画的に生産しないと利益が出ません。小さな製薬会社が乱立して激しいシェア争いを行っており、少量多種を薄利多売せざるを得ない状況です。また、厚労省による薬価抑制政策によって常に強力な値下げ圧力にさらされています。そのため、在庫の積み上げを嫌う各メーカーがギリギリの生産量で賄っており余裕がないのです。したがって、今回のようなイレギュラーな事態が生じても、生産調整の融通が利かず、また品目の変更も容易でないことがわかります。このようにジェネリック医薬品は国内情勢からみても非常に脆弱な供給体制であることがわかります。

 

実は国際情勢の変化がこの体制にさらに追い打ちをかけることになるのです。

これは次回以降にまたお話します。

 
 

KYOSEIKAI Group

 
 

医療法人恭青会

理事長 生野 恭司
-----------------------------

メルマガ編集部

contact@kyoseikai.com

Facebook
Instagram

医療法人恭青会 〒532-0023 大阪市淀川区十三東2丁目9-10 十三駅前医療ビル3階


Update Profile/Email Address